社会人として働いていると「取次店」という言葉を聞くようになった方も多いと思います。あまり聞い慣れない言葉なのでわからないまま放置している人も多いのではないでしょうか。
今回は取次店の意味や代理店との違い、取次店をするメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
取次店とは？
取次店とは簡単な言葉でいうと「紹介店」ということになります。元々は出版業界でこの言葉が使われていました。取次店の業務は紹介に止まり、その後の契約手続きや顧客のアフターフォローは行いません。そのため代理店に比べて負担が小さくなり、その分インセンティブも低くなります。
インターネットが普及して「アフィエイター」という職業が生まれましたがこのアフィリエイターは取次店に非常に近い役割を果たしています。アフィリエイターは顧客のリストを確保し、供給者であるメーカーにパスをするのみに特化していて、顧客の紹介以外のアフターフォローや契約手続きは一切行いません。
代理店と取次店の違い
取次店と代理店は意味が違うというよりも、広い意味でいう代理店の中に取次店が含まれます。代理店の中には販売代理店、販売店、OEM販売や取次店など様々な種類があります。
多くの企業が販売パートナーを募集していますが、販売パートナーの募集には大きく三種類あります。
一つが代理店契約でこちらの契約では商品の販売、契約手続き、場合によってはアフターフォローまでを行います。二つ目がOEMというもので簡単にいうと供給者のブランドを自社ブランドに変えて販売するというモデルです。OEM契約では生産量や販売に関しての責任は全て代理店側にあります。
そして最後が取次店契約です。取次店では紹介のみを行い、そのほかの全ての業務は供給者側で行います。このため業務負担が少なく副業やサイドビジネスで始めやすいのが特徴的です。
取次店は代理店の中での紹介に特化してそれ以外を行わないというふうに押さえていれば問題ないです。代理店の種類に関してはこちらの記事で紹介しておりますので知識があやふやな方はぜひご覧ください。
代理店とは言い換えれば販売パートナーという意味です。代理店を戦略的に使うことによって自社に営業のリソースが足りなくても販売網を拡大することができます。代理店ビジネスは日本では多くの場面で利用されており、あらゆる業界のビジネスに置いて根幹とも[…]
取次店が活用されている事例
不動産
不動産仲介業者は「保険」「光回線」などの商材の取次を行なっています。不動産を紹介するタイミングで住まいに必要になる光回線を営業した方が通常時よりも成約率は高くなります。また、引越しをした際に火災保険に加入するように勧められた方もいらっしゃると思いますが実はあれも保険会社の取次をしているのです。
美容室
美容室のレジにワックスなどの整髪剤が置いてあることがあります。当然美容室が開発したものではなく、メーカーの商品の取次を各美容室がしています。美容室の場合はカットした後に実際に整髪剤をつけることでお試しをすることができるため、顧客の購入意欲を書き立てることができ、非常に美容室にマッチした商材と言えるでしょう。
携帯
携帯会社の代理店も不動産と同じく光回線を取り扱っている場合がほとんどです。キャリアの変更や新規契約は光回線の切り替えにも親和性があるためです。
このように取次店は「既存の事業とシナジー効果を生む商材」を取り扱っています。取次店をする場合には以上にあげたような相乗作用を意識して商材を選んでみてはいかがでしょうか？
取次店をするメリット
業務負担が少ない
取次店はほかの代理店契約に比べて時間的拘束や労力が少なくて済みます。代理店営業において事務作業や顧客管理、アフターフォローに時間が取られて本業の営業に時間を割くことができないという問題はよく起こります。
その点取次店では業務負担がほかの契約形態に比べて少ないのでこれから独立を考えている方は取次店という形から初めてみてもいいでしょう。
初期費用なしで始めることができる
取次店は商品を仕入れて在庫を抱える必要がないため初期費用なしで始めることができます。在庫を抱えないビジネスというのは初めてビジネスをする方にとって最も重要な要素の一つです。また、取次店の場合は加盟金も設けていない企業がほとんどです。OEMや販売店、フランチャイズと比較すると年間を通してそれらの費用負担がないのが特徴と言えるでしょう。
副業やサイドビジネスに適している
取次店は業務負担が軽いため、既存の事業の傍に始めることができます。先述した不動産、美容室、携帯販売店のように相乗作用があるような商材を選ぶことで十分な収益を上げることができます。
取次店をするデメリット
インセンティブが低い
取次店は業務負担が軽いため、ほかの代理店に比べてインセンティブが低いです。そのため、本業ではなくサイドビジネスとして始めるケースが多いのです。そのため商材が売れる見込みがあるのであれば取次店契約を代理店契約に切り替えるなどしてインセンティブをあげてみておいいでしょう。
いずれにせよ様子見という意味では取次店のメリットは大きです。
報酬に結びつかない場合がある
取次店が行うのはあくまで紹介のみであって、その後の契約までを担当するわけではありません。契約する会社によっては取次を行なったとしてもその後の契約に結びつかないと報酬が発生しないという場合があります。
この点に関しては契約提携時に確認しておく必要があるでしょう。
取次店になるためには？
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